近年では、災害用としても注目されていますよね。
地震などの災害時、困ることは、「電気」、「ガス」、「水道」がストップすることです。
安全な水やお湯を沸かせなければ、粉ミルクは作れません。
ですが、そんな非常時でも衛生的で、安全に赤ちゃんに使うことができるのが「液体ミルク」です。
赤ちゃんをお持ちの家庭では、ミルクメインの家庭だけでなく、母乳育児メインの家庭でもいざという時に備えて、液体ミルクの備蓄は必要不可欠です。
しかし、どのくらいの量を用意すればいいのか、保存方法や飲ませ方も知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、液体ミルクの備蓄や使い方について詳しく解説します。
液体ミルクの備蓄はどれくらい必要?
液体ミルクの備蓄について知ろう
災害時や非常事態に備えて赤ちゃんのミルクは3日分用意することが必要になります。
これは、災害時には水道や電気が止まることが多く、飲料水や調理用の水が十分に確保できません。
また、災害発生から3日を過ぎると生存率が著しく下がってしまうため、 災害発生から3日間は人命救助が最優先となります。
そのため、道路の復旧や避難所への物資輸送はその後になるので、だいたい災害発生後から、3日間は自力で乗り越えられるよう準備する必要があります。
できれば1週間分のミルク、最低3日間分のミルクは各家庭で備蓄しておきましょう!
赤ちゃんの週数・月齢から1日に必要なミルク量を見ていきましょう。
週数・月齢 | 生後1週間 | 生後1週間~2週間 |
1回量 | 日齢×10ml | 60~80ml |
1日のミルクの回数 | 8~12回 | 8~12回 |
合計量 | 80~840ml | 480~960ml |
週数・月齢 | 2週間~1か月 | 1か月~2か月 |
1回量 | 80~120ml | 120~160ml |
1日のミルクの回数 | 7~8回 | 6~7回 |
合計量 | 560~960ml | 720~1120ml |
月齢 | 3か月~4か月 | 5か月~6か月 |
1回量 | 160~200ml | 160~200ml |
1日のミルクの回数 | 6回 | 5~6回 |
合計量 | 960~1200ml | 800~1200ml |
液体ミルクは、基本的に開封後は使い切るようにしましょう。
特に災害時は、電気が使えないと冷蔵庫に保存することもできません。
常温で保存するとなると雑菌も繁殖しやすくなります。
そのため、各週数・月齢に合わせて1回量×1日のミルクの回数分のストックがあると安心です。
ミルク育児をしている場合、週数・月齢の必要量に合わせて用意をしましょう。
生後3~4か月の目安量
【1回量】200ml × 【1日のミルクの回数】6回 = 1200ml
1日で1200mlのミルク量が必要になります。
1缶200mlの液体ミルクを用意する場合、1日分で6缶必要です。
そのため、防災備蓄用として、
1缶(200ml)× 3日分 =18缶
を備蓄しておきましょう!
災害時は、ショックや不安、ストレスなどで一時的に母乳量が気になる可能性もあります。
母乳は災害時でも吸わせ続ければ、減ることはなく作られ続けます。
ですが、避難所などでは家と違い思うように授乳ができない可能性もありますよね。
ですので、母乳育児をされている方も、ある程度の備蓄は必要です。
ミルク1週間分とまではいかなくとも、1日~2日分ほど用意しておくと、
もしもの時や、ママ以外に授乳して欲しい時などに持っておくと安心ですよね。
備蓄用の液体ミルクは、缶入りやパック入りなど、様々な形態があります。
缶入りの場合は、重たくたくさん持ち運ぶのにはやや向かない反面、長期保存が可能です。
一方、パック入りの場合は、軽く持ち運びやすい反面、保存期間が短い場合があるので、注意が必要です。
災害に備えて、ローリングストックしよう!
【ローリングストック】とは、普段から少し多めに保存できる食品を買っておき、
日常でそのストック分を使い、使ったら使った分だけ新しく買い足していくという方法です。
常に一定量の食料を家に備蓄しながら、使っていくことで、
いざというときに「賞味期限切れだった!?」などということにもなりません。
日常の中に食料備蓄を取り込むことで、災害時にも備えられますし、普段から使っていれば無駄もありませんよね。
ローリングストックする際は、「3日分の食料」を目安にストックしておきましょう。
家族の人数分×3日分の水や食べ物などをまず、備蓄します。
そして、普段の生活で備蓄している食料が古くなってしまわないように、使っていきましょう。
使う際は、必ず一番古いものから使うようにすると良いですね。
また、使ったらその分だけ必ず補充しておくことも重要です。
災害はいつ起こるかも分からないので、ストックが切れないよう注意しましょう。
液体ミルクの使い方・飲ませ方は?
常温でも飲ませられる
粉ミルクは、熱湯で粉ミルクを溶かして、人肌に冷ましてから飲ませる必要があります。
でも、液体ミルクなら温めなくてもそのまま赤ちゃんに飲ませることができるのがとても便利なポイントです。
温かくないと飲まないような場合や、冬で常温でもとても低温になってしまっている場合、どのようにあたためたらいいのでしょうか。
【カイロを使う】
缶や哺乳瓶の外側から、使い捨てカイロを当てて温めましょう。
ミルク缶や哺乳瓶、カイロの周りをタオルなどで包むとより効果的です。
【人肌で温める】
服の中に入れて、人肌で温めることもできます。
【ウォーマーを使う】
ミルク缶や哺乳瓶に取り付けて、温めることが可能です。
USBで充電ができるのもべんりですね。
【車の暖房を使う】
車を使うことができる場合、車内の暖房をつけ、その温風を当てておくことでも温めることができます。
災害時のミルクの飲ませ方
災害時は、十分な水、ガス、電気もないため、
十分な洗浄や消毒ができない可能性があります。
哺乳瓶が使えない場合どのような授乳方法があるのか紹介します。
液体ミルク用のアタッチメントを使う
液体ミルクには缶、紙パックタイプがあります。
各メーカーではそのまま飲ませることができるよう、アタッチメントが用意されています。
液体ミルクを購入際は、アタッチメントも一緒に用意をすると良いでしょう。
インナーバッグを使う
手持ちの哺乳瓶に取り付けて使う、使い切りのインナーバッグです。
インナーバッグの中にミルクを入れるので、哺乳瓶本体は汚れず哺乳瓶の洗浄が必要ありません。
ただし、哺乳瓶本体以外の乳首は十分に洗浄し、消毒する必要があります。
紙コップや手持ちのコップで授乳
哺乳瓶やアタッチメントがなくても、紙コップがあれば、授乳はできます。
①赤ちゃんをできるだけ縦抱きにする
②コップに赤ちゃんの手が触れないように抱く
※おくるみやバスタオルなどで赤ちゃんを巻いてもいいです
③赤ちゃんの下唇にコップのふちを軽くあてる
④赤ちゃんが自分でミルクをすするように飲ませる
※コップを傾けて、一度にたくさんのミルクを口に流し込まないこと
空気を飲みやすいので、時々げっぷをはさむと良いですよ。
また、コップ授乳はこぼれやすいので、口からこぼれてもあまり気にしないようにしましょう。
まとめ
液体ミルクは災害や非常時には最強のミルクです。
水もガスもいらずに赤ちゃんの栄養を十分にまかなうことができます。
突然の災害で慌てないためにも、普段からしかっりと備蓄しておきましょう。